告白前日の夜。

私は机に向かってキミに宛てた手紙をつづった。


言いたいことが当日になったら真っ白になってしまうと思ったから、念のため。


書いていくうちにいろいろ思い出して、泣きそうになったり笑ったり、感情の入れ替わりが大変だった。



今日、廊下であったとき手を振ってくれたキミに当たり前のように胸は高鳴って、切なさも少し湧いた。


キミの心には私じゃない誰かを想っていると思ったから。


苦しいけど、キミが笑顔でいられるんだったら、たとえ誰と付き合おうとも私は応援しようと思う。




だから明日。


伝えるよ。ずっと言えないでいた想いを。


笑顔で、キミに。最後の想いを伝える。



寝る前に、珍しく姿を現した丸く神々しいお月様を目に映した。



素直に綺麗だと思った。





──お願いします。最後のお願いです。



手をそっと合わせる。



「私に勇気をください」


──キミのそばにいたいから。



叶わない恋だと分かりながらも、やっぱり最後には強く願ってしまう。

そばにいたい、と。



あわよくば、これから先も。ずっと……。




その日の夜は、素敵な夢を見た。



キミが、私にだけ笑ってくれた夢を──。