土日を過ぎると1月最後の週に入った。


朝起きるといつにも増して冷え込んでいるのを感じて身震いをした。

それは外を見ればわかることで、歓喜の声をあげてしまう。


目の前の風景が真っ白に染まっているのを目に焼き付けて「わあ」と小さくつぶやいた。


そしてふと思う。




香奈恵ちゃんは子どもみたいにはしゃぐのだろう、と。





シャクッと音をならせて歩く。

白く塗り替えられた街並みを眺めて、学校へ向かう私の心は弾んでいた。

こういう時、自然と鼻歌を歌いたくなってしまうんだけど、

去年身に染みすぎた経験を思い出してやめた。




雪が降ると毎回この坂が憎たらしく思う。



最寄り駅に向かう途中、一本の長く急な坂があるんだ。

とにかく上りはキツイ思いをしながら上って行くのだけれども、

この時期はどっちも不愉快。





……ここで何度滑ったか。




だから今回も慎重に慎重に、ゆっくり歩幅を小さくして下って行った。