──ピシャ。 ドアを閉めた。 静かな教室に少しの緊張が走る。 あのまま先生の言葉を無視して、香奈恵ちゃんに連れてこられた。 そして、気付く。ここは亀裂ができたあの日と同じ場所だということを。 暗いけど、明るかった。夏の日差しが照らしているから。 私は背を向けている香奈恵ちゃんに呼びかけた。 無言でいるけど、少し肩が震えたように見えた。