灰被り姫の城

それを見て、沙耶子さんは顔を真っ赤にしながら、大声で叫んだ。


「なんでアンタのかばんの中にあたしの財布が入ってんのよ!!!」


美鈴ちゃんの髪をつかむ沙耶子さん。

その顔は、まるで鬼だ。

いや、鬼よりも恐ろしいかもしれない。


「知らないよ!私、知らない!」


美鈴ちゃんは泣きながら訴える。


そう、美鈴ちゃんは財布を盗んではいない。

私が、玄関の靴箱に置きっぱなしにされていた沙耶子さんの財布を、ソファに置きっぱなしにされていた美鈴ちゃんのスクールバッグに入れたのだ。

二人してものを置きっぱなしするなんて、さすが親子。