灰被り姫の城

勇気出せ、あたし。

過去の自分とはもうおさらばしたでしょ?


心の中で何度も自分に言い聞かせるが、なかなか勇気が出ない。


その時だった。


「新田さん、だよね?」


後ろの席にいたクラスメートの女子が、あたしに話しかけてくれたのだ。


胸まで真っ直ぐ伸びた髪に、150cmにも満たない小さくて可愛らしいこの子は、確かあたしの次に自己紹介をしていた子だ。

えっと、この子は確か………。


「えっと、野沢里香(ノザワ リカ)さん?」

「あ、名前覚えていてくれたんだ!嬉しいな」


あたしはホッとした。

よかった、名前間違えていなくて…。