不安と緊張でいっぱいの中、入学式は無事に終わり、あたし達はこれから一年間勉強する一年三組の教室へ移動した。


あたりを見渡せば、知らない人ばかり。

当たり前か…同じ中学の人は一人もいないんだから。


不安が募っていく。


それに、心なしかクラスメート達にジロジロと見られているような気がする。

やっぱりおかしいかな…この髪型と、目。


そこへ、あたし達のクラスの担任であろう若い男の先生が入ってきた。


「三組の担任になった、木村智一(キムラ トモカズ)です。担当は古典。皆、よろしく」


木村先生は、淡々と自己紹介をした。


「それじゃあ、皆にも自己紹介をしてもらおうかな。
出席番号一番の…浅田君から」


手にした名簿を見ながら、先生が言った。
指名された出席番号一番の男子が立つ。