灰被り姫の城

加奈ちゃんは、前にいた男子生徒にぶつかってしまった。


「す、すみません!」


加奈ちゃんがぶつかったのは、同じクラスの浅田君だった。

浅田君は、何も言わずその場を去っていった。


「…浅田君って、無口だよね」

里香が言った。

「だよね、クラスでもいつも一人だし…」

沙希ちゃんが続けて口にする。

「大丈夫かな、怒ったりしてないかなぁ」

加奈ちゃんが、不安そうな顔をする。

あたしは、

「大丈夫だって、浅田君、そんなに悪い人じゃないし。怒ってないって」

と言った。


「うん…だといいけど」


それでも、加奈ちゃんはまだ不安そうにしていた。