「だから、小嶋さんのファンがヘイトになるように、裏サイトにこんな書き込みをしたんだな」


そう言って、浅田君が携帯の画面をあたしに向けた。


そこには、あたしが小嶋さんを陥れるために裏サイトに投稿した書き込みが出されていた。


「普通なら、こんな書き込みは信じない。

だけど、一度小嶋先輩に裏切られていたファン達はそれを信じ、彼女を追い詰めた。

もともと、沖田先輩が小嶋先輩に束縛されていたことから、沖田先輩はあっさり小嶋先輩を捨てた。


何となく、わかっていたんだ。


図書室で沖田先輩が友人に小嶋先輩から束縛されていることを話していたとき、お前が本で顔を隠して笑っていたのを、俺は横から見ていたからな。

小嶋先輩が不登校になったところで、お前の仕業だということに気付いたよ」

「小嶋さんの件に関しては、全てお見通しってわけ?

鋭いよね、浅田君って」

「俺は人間観察が趣味でね。

クラスの人間関係、友好関係、恋愛関係や、大抵の人が考えていることは、ある程度わかる」