灰被り姫の城

三年生になっても、あたしの立場は変わらなかった。

あたしは姫で、女王で、一番。

あたしのファンは、毎日あたしになにかしら差し入れをくれる。

あたしが廊下を通れば、必ず皆が道を空ける。

ものを落としたときは、すぐに拾ってくれ、お礼を言うと皆あたしの可愛さに魅了され、真っ赤になる。


男子はあたしに惚れ、女子はあたしに憧れる。


あたしのファンは、もはや男子だけではなく女子も徐々に増え、
ファンというより、“信者”という感じだった。


そんなあたしの隣を歩くことを許されているのは、あたしの友達の沙希ちゃんと加奈ちゃんだけ。


それ以外の人は、あたしの隣を歩くことはおこがましいことだと思い込み、あたしの隣にいることさえしない。