灰被り姫の城

それに、あたしがお高い存在になったお陰で、あたしのファンは差し入れをしてくれたり、面倒な仕事を代わってくれたり、道を空けたりしてくれる。

あたしが上にいる存在だからこそ、そうしてくれるのだ。


なら、それでいい。

告白なんてめんどうなもの、もうどうでもいい。


あー、気持ち悪い男子の告白から解放されたのかと思うと、なんだかいい気分。

ルンルン気分で廊下を歩くあたし。


「おい、新田」


後ろから呼びかけられたので、あたしは立ち止まり、振り向いた。

そこには、浅田君がいた。

浅田君から話しかけられるなんて…珍しい。

何の用だろう。

浅田君が話しかけてくるんだから、おそらく業務連絡かなんかだろう。