灰被り姫の城

『三人目は、エントリーナンバー九番、野沢里香さんです!』


最後の通過枠は、里香だった。


「やった」

と、里香は嬉しそうに言った。


「私、第二次審査通過したよ!
これで、レイと同じランウェイを歩けるね!」

と、嬉しそうにあたしに喋りかける里香。

「う、うん……」

あたしはぎこちなく、そう答えた。


里香が、第二次審査を通過……。
しかも、あたしが去年歌った歌を歌って………。

信じられない。


二年生や三年生は、去年のことを知っているから、あまり里香に投票しなかったかもしれないが、去年を知らない一年生からの多くの票を、里香は得たのだろう。


「ねえ、里香……」

「ん?」

「どうして、里香はあたしが去年歌った歌を歌ったの?」

「え?さっき言ったでしょ。
去年レイが歌っていたのを聴いて好きになったからって……」