灰被り姫の城

図書室に、あたしのファン達がゾロゾロと入ってきた。

別に、図書室にいる皆は驚かない。


あたしが頻繁に図書室を利用していることは皆知っているので、あたしに会いにファンがやってくることは不思議じゃない。


しかし、今日はやけに図書室に来たファンの人数が多い。


そして、ファン達はあたしには目をくれず、例のキリンちゃんこと、久保さんに声をかけたのだった。


「レイ、あれレイのファン達だよね?
久保さんと知り合いだったのかな?」


コソッと、里香があたしに言った。


「わからない」


とあたしは首を横に振った。


ファン達は久保さんに何かを言い、ファン達と久保さんは、図書室から出て行った。


「何だろう……行ってみる?」

里香が、好奇心に溢れた目をして、あたしにたずねてきたので、あたしは頷いた。