灰被り姫の城

でも、本当にそんなに心配する必要はないんだよ、里香。

だって、廊下にいたあたしのファン達が、目をギラギラさせている。


フフ…これからの展開が、楽しみだね?


そして昼休み。


あたしがイタズラされないように、と里香が一緒に図書室に来てくれた。


図書室には、キリンちゃんがすでに席に座って本を読んでいた。


「あ、あの子だよ…例の」


あたしは、小さく里香に言った。


「あの子が………。
わかった、注意しておくよ。
レイはゆっくり本を読んでいて」

「うん」


本当に、そんな余計な警戒なんかしなくてもいいのに。

そう思いながら、あたしは席に座り、本を読み始めた。

あたしが本の一ページ目をめくったまさにその瞬間。