灰被り姫の城

この日の休み時間。


「姫さんだ!今日も可愛いですね!」

「おはようございます!」

「姫!おはようございます!!」


相変わらずうるさいあたしのファン達に、あたしは手を振った。


「新田先輩だ~!可愛い~!!」

「今日もキレイ~」


新入生達に、あたしは笑いかけた。


「きゃー!」

「今、笑ったよ!」

「可愛い~!」


当然の反応を見せる新入生。


その中に、あたしは普通とは違う反応を見せる、新入生を見つけた。


「…………」


糸みたいな細い眼で、あたしのことを強く睨みつけるその子。
見るからに地味そうで、暗くて、友達もいなさそうな子。


170cmはある身長で、普通の人より首が少し長く、ガリガリ。

まるで、キリンみたい。

あ、でもキリンは睫毛がながくて目がぱっちりしているけれど、この子は目は細くて、開いているんだか閉じているんだかよくわかんないや。