注目されるのは、やっぱり気持ち良い。


新入生の嬉しい声に手を振って反応してあげると、新入生は


「きゃー!」


と喜びの声をあげた。


そのとき、新入生のほうを向いていたあたしは、目の前にいた人にぶつかってしまった。

誰よ、あたしの前に立っているのは。


普通の生徒なら、学校の姫であるあたしに道を空けるのに。



そう思い、顔を上げると、目の前には浅田君がいた。


「ごめんね、ちょっと余所見してて」


あたしは、いつも通りの笑顔で謝ったが、浅田君は無反応で教室へ戻っていった。


…面白くない。


どうして、浅田君はいつもああなの。


他の男子なら、あたしに触れただけですぐ真っ赤になったり、気持ち悪いくらい喜んだりするのに。

彼女持ちの男子ですらそういった反応をする。