灰被り姫の城

中学は卒業した。
あの頃のスクールカーストはなくなったはずだった。
一番下でいたあの頃のあたしは、もういなくなったと思っていた。

だけど、今ここにいるのは、間違いなくスクールカースト最下位のときのあたしそのもの。

そして、目の前にいるのはかつてのスクールカーストの頂点に立っていた井岡。

そんなあたしが、彼女に逆らえるはずがない。


なくなったはずのスクールカーストは、今、確かにここに存在しているのだ。


「てかその制服、空峰の制服?
へー、空峰かぁ……。どうりで、地元ではなかなか姿が見えないわけだ。

つまりぃ、中学の時の自分を知る人がいないところで、新しい自分に生まれ変わろう!とか考えてたわけ?」

「なっ…!」

「きゃははははは!図星!?マジウケるんだけど!!
アンタが生まれ変われるわけないじゃん!アンタはどう足掻いても、地味で暗い女なんだよ!!」

そう言って、彼女はあたしの肩を強く押した。

「きゃっ」

あたしはその場で、尻餅をついた。

その姿を見て、ひとしきり笑った後、井岡は去っていった。