灰被り姫の城

あたしの服を勝手に盗んだり、財布からあたしのお小遣いを抜き取ったり………。

あたしはお父さんに何度も訴えたが、お父さんは美鈴ちゃんにやんわり注意するだけで、嫌がらせが止まったことは一度もない。

母親の沙耶子(サヤコ)さんは、問答無用で実の娘の美鈴ちゃんの味方ばかりするので、アテにならない。


この家に、あたしの居場所はないのだ。


そのことも、あたしが高校デビューした理由の一つだった。


中学にも、家にも居場所がない。
ならば、高校で新しい自分の、新しい場所を見つけよう。


そう思ったのだ。

「今行く」

そう返事をして、あたしは食卓へ向かった。
そこには、沙耶子さんと美鈴ちゃんの姿があった。
お父さんはどうやら、まだ仕事から戻ってきていないようだ。