灰被り姫の城

「だからって、それは私が悪いわけじゃあ…!」

「その件がなくとも、お前とはもう別れたいと思っていた。
他の女子と会話したらすぐキレるし、もううんざりなんだ。
これじゃあ、まともに残りの高校生活を送れやしない」

「そ、そんな……」

「俺、もうお前のこと好きじゃないから」

「待って、沖田っ……!」


沖田さんが音楽室から出ようとしたので、あたし達は慌てて物陰に隠れた。

沖田さんが去り、音楽室でただ一人残された小嶋さんは、うずくまって泣いていた。


「やばいもの見ちゃったね…」

「ドラマみたいだった」

「あんなことあるんだねぇ………」


と、里香達は好奇に溢れた表情で話す。


あたしはただ、無表情で音楽室から聞こえる小嶋さんの泣き声を聞いていた。