いや、でも本人が嫌がっているわけだし。

そんな無理しなくても。


「おい、行くぞ」

「え、」

「帰るんじゃねえのかよ」

「あ、帰ります」


無言で歩く成宮 隼人の後ろをついていく。

やっぱり一人で帰った方が楽だったなあ。


「あ、」

「なんだよ」

「学校に鞄置きっぱなしだなと思いまして」

手には変わらず参考書とノートがあるけれど、それ以外は全部置きっぱなし。

これじゃ予習、復習が出来ない。


「面倒くせえ。取りに行くのかよ」

「別にいいです」


明日も学校あるし、その時でいいかと思った。

それに、こんなに苛立っている人を連れて学校へ戻る気など無い。

家ももう近いし。


「あっそ」

成宮 隼人はまた無言で歩き出す。

金髪が日に照らされてキラキラと光っている。

似合ってないなあ、と薄ら考えた。