一刻も早く忘れたくて、私はシャーペンを握り直して、問題に向き合う。


なのに問題の内容が全く入ってこない。

これじゃ、全然駄目じゃん。


頭の中が、昨日のことでいっぱいいっぱいになっていることを実感した。


やめてしまいたい。


そう心の中で呟いてみても、やめることはできなくて、ただひとり私は高い高い門の前に立たされたような、そんな気持ちだった。


私にはその高い門を開く方法を知らなければ、乗り越える勇気もなく、勝手にテンパって勝手に過呼吸になっている。


息継ぎの仕方さえわからなくて、どうしようもなくなった。



苦くて苦くて、苦いだけの何かが胸の奥から湧き上がってきて、しんどい。

どうにか蓋をして、押し込めてしまいたい。