「へ、へぇ〜。なかなか雰囲気出てんじゃん」

いつの間にか、隼人が私の隣に来ていた。

心なしか声が震えている気がするんだけど、気のせい?


…まさか、お化けが怖いとか?


その時、左側にあった障子がガタガタと揺れ、助けて〜という声とともに女の人のシルエットが映し出された。


「うわぁぁぁぁっ!」

隼人はそれに面白いぐらいビクッと反応した。

え、ホントに?

だってこれ、こんな急に障子あったら不自然だしなんかあるって気付くでしょ、普通。


「ねえ、隼人って…お化け…」

「う、うっせぇ!」

「え、だって、隼人が言い出したよね?え?」


なんでお化け屋敷に入ろうなんて言い出したんだろう、この人。

謎は深まるばかりである。