〔翔太side〕
美桜が危ない状況だと知り、病院へ急いで駆けつけた。

機械に繋がれてる「彼女」を見た。

違う……こんな姿じゃない。

こんな青白くて、こんな痩せてる彼女を俺は知らない。

今までどんな苦労をしてきただろう。
どんな苦しみを、痛みを感じてきただろう。

俺達には理解しきれないほど頑張ってきたんだ。

紫苑はもうボロ泣き状態。

俺は、俺は何が出来ただろう。
彼女に何かする事があったはずだ。



「そばにいる」事だ。

彼女が苦しんでる時に俺はそばにいてやれなかった。

「クッ……うぅぅ……」

ごめん。美桜。ごめん。ごめん!!


トントン……誰かが俺の肩を叩いた。

美桜の母さんだ。

「美桜はね、あなたに出会ってから沢山、笑顔を見せてくれたの。身体が弱くて不安させてばっかのあの子がね。あんな無邪気な笑顔を見せてくれたのよ。
美桜を彼女としてくれてありがとう。

そして、紫苑さん。彰さん。美桜を友達として接してくれてありがとうっ……

あの子ねっ……ほんとに、幸せそうだったのっ!!幸せの顔をしてね皆の話をしてくれたの……!!

ありがとう。本当にありがとう。


娘の、美桜の最後の時間を一緒にいてください。そばにいてください。」