「‥‥?」

気づけば私は保健室にいました。あぁ、頑張りすぎたのかな‥‥。まだ視界はぼやけていたけど

「あ、起きた?おはよー‥‥ふぁ〜」

眠そうに顔をのぞき込む1人の男子。

「‥‥!?」

驚いて布団をもう一度かぶる。

「えっ、あぁごめんな!驚かせちまったみてーだな。俺は夏宮!ここの3年。」

そう言って私を安心させる。

「‥‥」

本当はありがとうって言いたいけど、私は声が出ない。私はポケットの中にいつも入れてるメモ帳を取り出‥‥えっ、

ガサゴソ‥‥

ポケットを漁るがいつものメモ帳は出てこない。落としたのかな‥‥

私はジェスチャーでメモ帳を描く。

「えっ?なに?」

夏宮くんはハテナマークをたくさん浮かべている模様。

「わかった!お前、あれだろ、えーっと‥‥あ、コミュ症だろ!」

こ、コミュ?この人何言ってるんだろう‥‥。そう思ってると

「嘘だよ。はい。」

そう言ってメモ帳を私に渡してくれる。夏宮くんはいい人なのか意地悪なのかわからない。でも、1番に伝えたい言葉を丁寧な字で書いた。思いが伝わるように


《ありがとう》


って。