「でも、ちゃんと頑張って作ってくれたんだよな。雑誌までみて勉強して。」

本当に氷雨は私のことをよく見てくれてて、知ってくれている。

「なら、まずくねーよ。ちょっとビターだよな。大人っぽくていいと思うぜ」

そう言って頭を撫でてくる。

《ごめんね。でも、ありがとう》

「なんで礼を舞白が言うんだよ!!言うの俺なんだけど‥‥」

困り果てた様子でこちらをみる。でも、この1年間本当に感謝をしている。氷雨のおかげで私は楽しい高校生活ができたと感じる。


私と氷雨は高校3年生。学校に来る人、来ない人バラバラのこの時期。


私達はいつまでもこの図書室で


笑って過ごしたい。


でも、それは叶わないことで3月には終わってしまう。


「なぁ!舞白は泊瀬大学(はつせ)受けるんだよな?」

(※大学は架空です。)

《うん。そうだよ。》

私の受ける大学は超難関校。受験勉強も厳しい。

「俺もその学校受けるんだ。一緒に合格できるといいな(ニッ」

私は初めて知った。同じ大学にもし進めたとしたら、


また、同じ時間を過ごせるかもしれない


《うん!》

私達の図書室の記録日誌は

まだまだ終わらないかも知れない。


高校は卒業しても‥‥




思い出は消えないものだから。



でも、ただひとつだけ。

《来年までには料理上手くならなくちゃ》

そう心に誓った私のバレンタインでした。
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氷雨side

俺がクシャッと丸められた紙をのばすとこう書いてあった。

《氷雨へ本命です。》

俺本命じゃなかったら本命誰なの(笑)