(ぁ‥‥)

私は声がでないけれど、吐息が当たるくらい近かったので私の発した音が聞こえたみたいで‥‥

「これ‥‥チョコ?俺の?」

私はコクリと頷いた。そしたら氷雨は壁ドンをやめて、チョコとクシャッと丸められた紙を拾った。

そして、そこに書かれてある紙をみて

「ぷっ‥‥はははっ、他に誰にあげるんだよ(笑)」

すごく笑わた。けれど、渡せたのが嬉しくて、私もニコッと笑って

《これからも私の彼氏でいてくれますか?》

そう書いた紙をわたすと、氷雨は

「当たり前だろ?これからもよろしくな!俺の可愛くて素直な優しい彼女さん?(ニコッ」

私はおそらく顔が真っ赤でしょう。すごく熱が帯びていくのを自分でも感じる。

「っ‥‥顔真っ赤(笑)あ、今食べていーか?」

《うん。》

私はバレンタインなんてあげる友達がいなかったから作ったことなんて1度もなかった。だから、美味しく作れたなんて保証はどこにもない。

「ほらっ。」

んむっ‥‥

氷雨はぼーっとそれを見ていた私の口にチョコを投げ入れた。

「けほっ、こほっ」

味は最悪。すごく苦かった。

《ご、ごめん》

すぐさま謝ろうとそう書く手の腕をギュッと掴まれ、

チュッ

キスをされた。

「‥‥甘くなっただろ?(ニヤニヤ」

そういう彼にまた私は負けて‥‥

コクリっ

小さく頷くしかなかった。