「‥‥舞白具合悪いのか?」

クシャッと紙を握る音が聞こえたのか、氷雨は少し大人しめに私に聞いてきた。

《ううん。全然》

私はニコリと笑った。でも、氷雨にはバレちゃうみたいで‥‥

「なにか、隠してるよな‥‥?何隠してるの」

迫ってくる氷雨、私は目を泳がせるしかなかった。手の後ろにはチョコレートとさっき握った紙がある。

トンっ

氷雨は壁に手を当てた。言わいる「壁ドン」というもの。でも、その当てる手はとても優しく、漫画で見るような壁ドンとは違った。

私はドキッとして

コトンっー

「ん?」

チョコレートと紙を落としてしまった。