私はそっと夏宮のLI〇Nを開く。私の画面には《氷雨》と書かれた可愛い犬のトプ画が写っている。

(夏宮意外‥‥)

まぁ、そんな事はどうでもよくて‥‥

私は文字を打って送信した。文面は

[なつみやは大学どこ行くの?]

という何気ない文面。特にスタンプをつけたり、顔文字もない。すると、夏宮からはすぐ既読がつく。

[うーん。まだ悩んでんだけどな笑]
[海原はどうすんの?]

そう聞いてきた。私は1校少しだけだけど、考えている大学があった。すぐにメールもうてたけど、その手は押そうとしなくて不思議に感じた。

(何で押せないんだろう‥‥)

なにかの魔法ではない。

[もしかしてお前もまだなの?]
[というか、俺の行きたい大学知ってどうすんだよ笑]

そう言われればそうだ。夏宮言う通り別に知って何もならない。
でもね、私の気持ちはこういうの。

「本当は好きなんでしょ?夏宮こと」

ほんとにいじわるなんだから‥‥

私はそっと文字を消し、書き直して返信ボタンを押し、スマホ画面を閉じた。

夏宮画面には

[夏宮のばぁーか。]

という文字だけ写っていた。