ピンポーン

「ねぇーちゃーん!」

下で弟が私を呼ぶ。今日はみんなで水族館に行く約束をしていた。

「‥‥おそい。」

そうやって言うのは向かいの羽黒。

《ごめん。》

謝ると羽黒は「別に気にしないけど」といいスタスタと歩いていく。

「あっ!海原に羽黒やっと来た!」

そう言うのはいつもの声の夏宮。集合場所にはまだ夏宮しかいなかった。

《他の人は?》

そう聞くと「んー?まだじゃね?」とスマホを確認する。夏宮もスマホ持ってるんだ‥‥

「夏せんぱーい!羽黒せんぱーい!」

「だる‥‥」

遠くからものすごく可愛い声が聞こえる。その言葉になぜか羽黒はそっぽを向く。隣にいるのは‥‥湊くんだ。

「遅くなってごめん!あ、海原さん紹介しとくね。僕の妹の小春(こはる)だよ。」

「小春です!中学2年です。えっと‥‥海原さん?」

《海原舞白です。ましろでいいよ。》

女の子には少し下の名前で呼んで欲しいという憧れが海原にはあった。

「じゃあ、ましろ先輩で!」

《よろしくね。》

「うん!あ、私のことは小春でいいですよ!」

《わかった》

小春ちゃんも湊くんと一緒でとても優しい人みたいだった。けど‥‥

「羽黒先輩良かったら食べてください!!」

「‥‥あー。ありがと。」

どうやら小春ちゃんは羽黒のことが好きらしいです。どこがいいのでしょう‥‥

ーー「一方陽向

「やっべぇー!遅刻だぁー!」

今起きた模様です。