「声が出ないだ?俺には関係ない。海原は気にしてるのかも知れねぇけど俺は全然構わない。だって


こうやって話せてるじゃん?」

彼はそう言って笑う。私の過去も知らないくせに‥‥。声が出てないのに何が話せてるじゃん?なの。意味わかんない。

でも、心の中の自分はそう言ってくれて嬉しかったのだろう。とてつもなく涙が出た。さっきとは違う涙が‥‥

「海原さーん。しょっちゅう泣かないでもらえますかー?笑」

夏宮は私を安心させるようにぎゅっと抱きしめて背中をさすってくれる。お母さん‥‥って心の中でつっこむ。

「ありがとう‥‥」

私は口パクだったけどお礼した。夏宮は察したのか

「じゃあ友達でいい?」

コクっ

私は夏宮の腕の中で大きくうなずいた。