結局お兄さんに促され海原の部屋に入った。俺は女子の部屋なんて小学校1年の時にしか入ったことがなかったからちょっと緊張した。

「‥‥」

彼女は紙を渡す気配もなく黙りっぱなしである。

「‥‥急にきてごめん」

彼女には謝っておきたかった。
そしたら彼女は

《いいよ。気にしてない》

顔とは真逆のことを書いていた。

「嘘つかなくてもいいよ。あれだよな‥‥友達って言って悪かったよ。」

そしてもう1度謝る。

《声が出ないんだよ?》

彼女は涙を流し出した。

「‥‥そんなことどうでもいいだろ?」

彼女は目を丸くする。

「声が出ないだ?俺には関係ない。海原は気にしてるのかも知れねぇけど俺は全然構わない。だって


こうやって話せてるじゃん?」

そう言って俺はニッと笑った。