海原side

昨日の言葉をふと思い出す。

「俺ら‥‥友達だろ?」

友達。それは何度も欲しいと思った言葉。小さい頃

「友達になって!」

と、声をかけてくれた子。でも、私は声が出ないからその言葉に返事ができずにいると

「友達になってくれないならいいもん!」

その子は怒って違う子に行ってしまった。私はそれが怖くてもう、友達なんていらない。そう思うようになってしまった

兄「ましろー?学校時間大丈夫か?」

そう言ってカチャリとドアを開けるお兄ちゃん。

《ましろさんは、ひきこもります。》

兄「またなんかあったのか?」

そう聞くお兄ちゃん。その言葉には聞こえないふりをした。

兄「‥‥辛くなったら言えよな。」

そう言って私の頭を撫でて部屋を出ていった。

私には幼馴染みがいる。でも、幼馴染みは幼馴染み。友達ではない別枠。

夏宮は悪い奴じゃない。わかってる。
友達にもなってはくれると思う。

けど、1度あったことは消えないから

返事をしないと友達はできない。


だから、私には無理なんです。