‥‥。

2人に沈黙が走った。

《ほら、知らないんじゃん》

彼女は呆れたようにため息をつく。

「スイマセン。」

《でも、教えたら手伝ってくれるの?》

そう書くから

「あぁ、教えてもらうにはやるよ!」

そしたら彼女は紙を持ってきた。
紙というより地図みたいなもの。

《ここの図書室の地図。本の種類によって棚が違うから全部覚えてきて。》

地図には大量の棚と種類が書いてあった。俺の記憶力はそこそこあるつもり。脱出ゲームとかの暗号は紙なしで覚えられる程度には。

「よし!覚えりゃいいんだな?」

《それが覚えられたらなつみやに手伝ってもらおうかな。》

彼女は「できるかなー?」という顔でこちらを見てくる。

「子供扱いすんな。お前ねーちゃんみたい。」

そう言うとペチっと軽く叩かれた。