陽向「夏ー!一緒に帰ろ!」

「悪い!先帰ってくれ。」

陽向「またかよー。」

羽黒「ねぇ、夏宮。最近どこ行ってんの?」

「‥‥なーいしょ。」

羽黒が口をちょっと挟んだのは驚いたけど、とりあえず教えたくなかった。

ガラガラガラ

ちょっと古びたドアを開けると

「ニコッ」

笑う彼女がいた。

《ほんとに毎日来るんだね。意外と真面目さんなんだ》

と、ニヤニヤする彼女。

「真面目だろー。海原も元気そうだな」

《元気だけど疲れてるかな》

そう書くから、ちょっと顔を見ると少し浮かない表情をしてた。

「なにかあったのか?」

彼女はせっせと字を書く。おぉ、が、がんばれ。と、心の中で応援する。
彼女の声が出ない理由は全く知らない。まず、どうせ聞いたところでなにも変わらないからな。

バッ!

彼女は書き終わった!と言わんばかりの顔でその紙を見せてきた。

《実は、図書室担当の香山先生が先週から産休に入って私1人だから、やることが多すぎて大変なの。》

「最近毎日来てるけど知らなかった。ってか、なんで俺に言わねーんだよ!言ったら手伝ってやるのに。」

そう言うと

《迷惑でしょう?》

呆れた。とんだ気遣いだな。

「俺は、お前にまたぶっ倒れでもされたら1番困るんだよ!だから、手伝う!」

《何を》

そう言われたら言い返せない。

「あの、海原サン。

《はい》

図書室の仕事って何するんデスカ?」

やること知らねーもん。