上の階の人たちは自立の人が多かった。

今考えれば介護度が低かったのだろう。

静かな階だった。
一人のおばあちゃんを除けば。
そのおばあちゃんは、あるスタッフに依存していて、〇〇さん呼んできて!
〇〇さんがいなかったら死んでしまう!
私は困った。ちっとも好意的な態度じゃないおばあちゃんと、この先どうやって友好的な関係が築けるのかと。

コールが鳴ったらひたすら行くようにした、私の顔を覚えてもらうためにも。そして、本能的に嫌いじゃなかった。
目上の人に失礼な言い方だが、いい関係が築けるはず、そう思っていた。

入って3ヶ月、夜勤を練習する時がやってきた。
例のおばあちゃんは夜間眠れない、〇〇さんを呼んでくれ!
五分おきぐらいにコールがあった。
私はひたすら話を聞いた。