あの春、君と出逢ったこと




『へぇ……煌がねぇ』


電話越しで面白そうにそう呟いた翠に、怒ってない事を感じ取ってとりあえずホッとする。


『良いわよ。


夕方の6時だから、栞莉の家に、2時くらいに向かっても良いかしら?』



翠の提案に肯定してから、電話を切る。


『良かった〜‼︎』



翠も手伝ってくれるから、とりあえず服の事は考えなくても大丈夫そうだから。



『少し寝よう』



安堵したと同時に襲ってきた睡魔に逆らわずに、そのままベッドに横になって目を閉じる。



煌君とのデートは緊張するけど。



楽しめると良いな。なんて思いながら、眠りについのだった。


ピンポーン ピンポーン



『ん……⁇』



ドアベルが鳴らされている音が聞こえて、瞼を開ける。


そのまま背伸びをして、何気なく時計に目を移して、思わず固まってしまった。




『2、2時っ⁉︎』



2時という事は、あのドアベルは翠が来た合図って事だよね!?


『やばいよ……‼︎』



慌てて、パジャマのまま部屋から飛び出して玄関を開ける。


勢いよく玄関を開けると、待っていた翠が、出てきた私を見て、眉間にシワを寄せる。



『栞莉。
あなた、今起きたでしょう⁇』



『……バレた⁇』



翠の言葉に、ごまかす様に笑ってそう言った私に、翠が呆れた様に溜息をつく。