「まあまあ、深く考えないで。」
それより、と言って中尾先生は一旦足を止めた。
「今日から菖蒲先生と一緒にゆり組、年中さんを担当する中尾 光代です。よろしく。光代先生って呼んでね?」
「よ、よろしくお願いします!」
「もう、そんなに力入れないの。分からないことがあったら何でも言ってね。私、20年もここに勤める超ベテランよ。」
「20年…!」
まあ、産休やらで抜けはあるけどね、と呟いた光代先生は再び歩き出し、園内を案内しながらホールへと向かう。
頼もしい。頼もしすぎる。
パートナーがベテラン先生で良かった。
最近は特に、周りの人に恵まれてる気がするな。
そこに心底安心していると、ホールに着いてしまった。