驚くほど親切な佐渡さんは、目印などを細かく教えながら駅へと案内してくれる。
さらに、次は一人でも行けるように、スマートフォンで地図アプリをダウンロードして使い方まで教えてくれた。
佐渡さんって、本当に優しい。そんな人がお隣さんで良かった。
申し訳ないやら、有難いやらで、すみません、ありがとうございますを50回近く言い終わるときには、駅についていた。
「駅の中も中々ややこしいから、店の並び方とか気をつけて見てろよ。」
「は、はい!」
なんと。駅の中までもが迷路なのか。
初出勤までに全ての気力を使い果たしそうだ。
「あと、電車の乗り方も教えて頂けると…。」
「乗ったことないのか?」
「数える程しか…。」
それも、幼い頃です。
目を丸めて驚く佐渡さんに、情けなくて小さくなる。
切符の買い方から電光掲示板の見方まで教えて貰っている私は、周りからどう見えてるだろう。
世間知らず。というよりも、田舎者?
生まれも育ちも大都会なのにな。

