そんな時間に酔いしれていると、


「部屋解約しろよ。」


もうお決まりとなっている台詞を、今日も懲りずに言った。


「しません。」


そして私も懲りずに断る。


確かに、最近はほとんどこの部屋にいるけど。


でも、解約したら佐渡さんの部屋に住むってことでしょう?

それってつまり、『同棲』…。
だめだ、考えただけで頭が爆発しそう。


やっぱりまだハードルが高すぎる。


「もったいないだろ。これだからお嬢様は。」


とからかうように言うのも、お決まりで。


隣に感じる体温にこれ以上にない幸せを感じて、ビールをまた口に含んだ。




隣に居る彼と私は、今まで全然違う世界で、違う暮らしをして来た。


だけど。



隣り合う彼と私にある格差なんて。


そんなもの、この幸せで埋めてみせる。

2人でね。