そのまま佐渡さんの手は、私の後頭部に添えられた。


あれ、ちょっと待って。


近い、近い近い!

私と佐渡さんとの距離は約20cmほど。しかも、その距離はじりじりと縮まって行っている気がする。

いや、縮まってるよ。


どうしよう、もしかしてこの後、私と佐渡さんの唇が…。

唇が、重なったりするの?それは、もしや『キス』?


小説やテレビでしか見たことのないその行為は、もちろん体験したこともなくて。


身体はもう、がっちがちになっている。


今こそ女になるときだ。


意を決して、思い切り目を閉じた。


すると、