「恵美ちゃん、私が恵美ちゃんの保育園の先生ということは『竜ちゃん』には内緒に出来るかな?」

「内緒?」

「うん、二人の秘密。」

「いいよ!菖蒲先生と恵美だけの秘密ね。」


きらきらした目で小指を立てる恵美ちゃんに、そっと胸をなでおろした。


年長さんの女の子はなぜか『秘密の共有』が大好きだ。どこまで内緒にできるかは別にして。


ごめんね、恵美ちゃん。口止めなんてしてしまって。


手を振りながら部屋へと戻って行く恵美ちゃんに、心の中で謝罪をしながら私も部屋へと戻る。



あれ?一体、なにがどうなってるの?