ホテルを出ると、太陽の光が眩しくて思わず目を背けてしまった。
レストランはエアコンが効いていて、温度差に驚く。
ああ、お父さんを怒らせてしまった。
いや、家を出たときから怒らせては居たんだけども。
でも、これで私の帰る実家は本当になくなってしまったかもしれない。
きちんと覚悟はしていたけど、それでも。
心のどこかで、お父さんなら娘の言う幸せを願ってくれるかもしれない、そんな思いがあった。
甘かった。
ホテルを出てから2回目の深いため息を吐く。
帰ろう、あのマンションへ。
気持ちを切り替えて、駅に向かおうと歩道に出ると、ハザードランプをつけて路肩に停めてある車が目に入った。
濃紺のbmw。
「なんで…。」
車に体重を預けるように立っている人物は、さらに見たことのある人だった。

