隣の部屋と格差社会。




お見合い相手 長門さんは、櫻木製薬の社員さん。

お父さんは、この人に会社を継がせたいと思ってるんだ。

きっと、すごく優秀なんだろうな。



「娘の櫻木 菖蒲です。父がいつもお世話になってます。」


一応挨拶をすると、いえいえとんでもない、とまた頭を下げる長門さんはなんだか父の好きなタイプだとは思えない。


「菖蒲、長門君はこの若さで営業部部長を任せられる優秀な男なんだ。役員入りも遠くないぞ。」


と、豪快に笑うお父さんの声が個室に響く。


あのお父さんにここまで言わせるなんて。

本当に仕事のできる人なんだ。

でも、今日はこんな話をしに来たわけじゃない。


「あの、」


意を決して口を開いたとき、個室の扉が開き食事が運ばれて来てしまった。