隣の部屋と格差社会。



ワンピースに合わせたベージュのパンプスを履き、外へと出た。


今日は少し蒸す。お化粧が落ちないといいけど。


そう思いながら鍵穴に鍵を差し込むと、後ろから少し驚いたような声がした。


「行くのか?」


そこには、Tシャツとハーフパンツという、ラフな格好をした佐渡さんが立っていた。



「逃げてばかりも入られませんから。」



思っていたよりも凛とした声が出た。
良かった、震えなくて。


言うとすぐに佐渡さんに背を向けてしまったため、佐渡さんがどんな表情をしたのかは分からない。



でも、もう私は振り返らない。