ホタルと夏の空



「じゃあ、また明日な」





ブーンッ。





「意味深すぎでしょ…」






あたしは、ドアに背中をつけてもたれ掛かった。





『誰でも簡単に車に乗せるわけじゃない』






この言葉が何を意味するのか。





それはわからない。けど、まだ期待してもいいってこと?






「ね、ねーちゃん!」






ドアにもたれかかりながら、ぼーっとしてると2階の小窓から




陽太が顔を出してあたしを呼んでいた。







「なにー?」





「い、今のは父さんにも母さんにも言わないでおいてやるよ!」






久しぶりに口を聞いたと思ったら、全く訳のわからないことを叫んでる。






「はい?あんた何言ってんのー?」





「だから、今のだよ!車の!」





「車って…、み、見てたの!?」





「ばっちりな!」






あたしが陽太の言った言葉に気づいた途端、窓を閉めた。





あいつ…!あたしは、すぐに玄関のドアを開け、家に入って、階段をかけ登った。





バンッ!





あたしは、陽太の部屋のドアを勢いよく開けた。





「いつから見てたの!?」





「車から降りてくるところから」





それ、最初からじゃん…。





「…何話してるか聞こえた?」





「いーや、遠くてそれは聞こえなかった」






あ…よかった…。もう中1だしやっぱりそういうのが気になる年頃なのか?






「話は聞こえなかったけど、車が行ったあとにねーちゃんの顔が真っ赤になったのは見た」