ホタルと夏の空



だから、確かめたい。





「最初に言っただろ?下心じゃなくて、優しさだって」






『期待するな』





直接じゃない。遠まわしにそう言われた気がした。





やっぱり…水瀬先生から見たらあたしはただの生徒で何も特別なんかじゃない。





空気が重くなった。自分のせいだけど。





そして、家の前についた。






「今日はありがとうございました」






あたしは、車から降りて窓から先生の顔をみる。





助手席は距離が近すぎて、メンタルが弱った今のあたしにあの距離にいることは難易度が高かった。







「勉強がんばれよ」





「はい。頑張っていい点数取ります」






頑張って、笑顔を作った。さっきの質問で先生にもあたしの気持ちを気づかれたかもしれない。





もし、そうだったとしてもできる限りいつも通りで気にしてなさそうな素振りをしなきゃ。






「じゃあ、また学校で」





振り向いて、家のドアに手をかけようとした時だった。






「今日、工藤を送ったことに意味があるのかって聞かれたらないって答えるしかない」






…なんで今そんなこと言うの。先生、どんだけKYなの。







「だけど、誰でも簡単に車に乗せるわけじゃない」





「…えっ…?」






先生は、あたしのほうをみずハンドルを握ったままそう言った。