「裏門に止めてある、黒のマジェスタ。開けて入ってていいから。あとですぐ行く」
「えっ、あっ、はい!」
先生は、あたしとは違う方向に走っていった。
本当にいいのか?教師の車で生徒が送ってもらうなんて…。
で、でも水瀬先生は"下心"じゃなくて"優しさ"って言ってたし。
それに、あの人が仮にもあたしを襲うようなそんないたたまれないことはしないだろう。
元ヤンだけど、普通の爽やかなイケメンより優しいし!(ドマラの中だけど)
うん、大丈夫!いこう!
あたしは、車のキーを握って裏門まで向かった。
それにしても、こんな子供にスッと車のキー渡すなんて先生は何も考えてるんだか…。
まぁ、べつに何をするつもりもないけどさ。
「えっと、黒のマジェスタ…。あった!」
うわ、高そうな車…、さすが公務員。
っていっても、まだ何年目だ?
恐る恐る鍵を開けて、車の助手席に載った。
なんか……大人の男の人の匂いがする。オシャレな感じの。お父さんの車とは大違い…。
いろいろ気になって、後ろを見たりするけど気になることがあった。
女の人を乗せてる気配がない。成人のイケてる男の人の車って
もっとこう、女の人の指輪とかネックレスとかひざ掛けとか
そういうのが置いてあるイメージ立ったけど、1つも見当たらない。

