涙は止まることを知らない
止める方法も分からないよ
結生はスッと立ち上がり
私の顔を両手で包んで上を向かされた
こんな顔見られたくない…
下を向こうとしても
結生の方がやっぱり力がある
「離して…見られたくないの…だから」
「何で?」
「こんな顔、結生に見せたくない!」
どうして分かんないかな…
こんな惨めな自分見られたくないよ
大好きな人に
「陽頼、すげぇ良い顔してるぜ?」
「え?」
「大丈夫。陽頼はどんな顔しても
ちゃんと可愛いから」
そんなこ言われたら…
期待しちゃうじゃんか
本当はちょっとでも私の事
好きなんじゃないかって
結生は私の涙を指で拭った
「1回しか言わないから、ちゃんと聞いとけよ
お前との約束なんだから」
結生はグイッと私を抱き寄せ
耳元で
「佐野 陽頼さん。ずっと前から好きでした
10年間、お前の事だけが好きです
陽頼は俺の最初で最後の初恋の人です
そしてこれからは最初で最後の
俺の彼女になって下さい」

