「保護者の皆様。本日はお子さんの御卒業
誠におめでとうございます。」



俺は短いながらも一言一言
丁寧に心を込めて喋った




「では、一人一人前に出て一言ずつ
言ってもらいましょう」




全員が「えー」や「恥ずいー」と言ってる中
柊は1人外を見ていた



そして一人一人前に出ての話が始まる
クラスの事を細かく話している奴や
笑いを取る奴
本気で泣く子も居れば
夢を語る奴もいた


そして―


「じゃあ次、柊さん」


そう言うと柊は静かに席を立ち
教壇へ歩く
そして前を見て



「今日、受けていた大学の合格発表がありました
遅刻して来たんで皆、結果は聞けなかったと
思います
何で此処で発表します」



深刻な趣の柊の発言に皆畏まる
保護者の方もざわついていた




「私、柊 未弥は…東〇大学に
無事合格しましたぁーーーー!!!」




その柊のいつもの笑顔と明るい声に
クラスには歓声が上がった



「未弥ぁー!!!おめでとう!!!」


「柊やったな!!!」


「マジすげぇわ!お前!!!」


生徒から祝福の嵐が起こる
保護者の方も東〇大学に受かったことに
驚いていた



「私が受かったのも皆が応援してくれたから
合格する事が出来ました
それに、私の悩みに真剣に向き合ってくれた
担任の椿院先生!!!
先生は本当に素晴らしい先生です!
私が急に受けるって決めた時も
先生は直ぐに理解してくれました

私がどんなに我儘でも先生は
優しく対応してくれました
そんな先生が私は本当に大好きです!!!」



柊は真っ直ぐな目で言った