「椿院先生〜♡」


「……またかよ」


俺、椿院 陽( ツバキイン ハル)には大きな悩みがある
それがコイツ…柊 未弥(ヒイラギ マヤ)

柊は俺が受け持つクラスの生徒
コイツは入学式の時から俺に惚れているらしく
俺を見つけては突撃してくる



「お前…いい加減にしろよな」


「何で??いいじゃーん!
だって私、今年卒業だよ!?
今のうちに堪能しとかなきゃ!」


そう、俺はかれこれ3年
コイツに絡まれ続けているのだ


「あははっ!!またやってるの〜未弥w」
「本当先生LOVEなんだから〜w」
「えへへ!!だって先生好きなんだもーん!」



今や学校ではちょっとした名物になっている
廊下でも平然と抱きついてくる
他の生徒や先生はいつも微笑ましそうに
見ている


「離れろ」


「い・や!まだ休み時間終わってないもん!」


「次、授業があんだよ!」


「えぇ〜」


俺は抱きついていた柊を無理やり離す

「あ!そうだ、先生!」

「あ?」

「はい!これ!」


柊がポケットから出して手に乗せていたのは
お菓子のチョコレートだった


「ったく…俺、甘いのダメっつたろーが」


「ふふっん!知ってるよ!」


「嫌がらせかよ」


「違うもん!これ本当に美味しいから
食べてほしいんだもん!
先生の為に苦いやつ探したんだからね!」


「しゃーねから貰っといてやる」


「そういう優しいとこ好き!」


「はいはい」



「じゃーね!先生!」

柊は手を振って教室に戻っていった