俺が彼女を見たのは2年の春―

桜が新入生を迎え
活気づいていた

俺は体操服に着替え渡り廊下を歩いた
剣道場は渡り廊下の途中にあり
いつもドアが開けられている


草薙さんは面を付けずに
目の前にいる部員を狙う


「始め!」


その合図と共に彼女は強くキレのある
踏み込みで竹刀を振るう
相手は反応する事を忘れ
草薙さんが一本取った


他の部員からは歓声が上がっていた

「お前、本当に強いな〜」
草薙「ありがとうございます」

彼女は素っ気なく返す